医師を副業にして10年以上経って思うこと

みなさんこんにちは。

整形外科@sugimovic‏さんのブログ記事が面白かったので、しっかりパクってしまったカステラ女王様@Rainha_Castellaです。そのブログ記事はこちら→永久保存版:医師の第3のキャリアとは、医師を副業にすること。

この整形外科@sugimovic‏さんの記事を読んで気づいたのだけど、そういえば私、医師を副業にするに…近いことを10年以上やっています。匠の域に入るのではなかろうか。医師を10年間も副業にしている人はあまり多くないと思うので、その心境をお伝えします。

注意
この記事は、真摯に医療に取り組んでいらっしゃる方が読んだら、本気で腹が立つ可能性がありますので、そういう方は画面閉じて! 早く閉じて早く!

薄利多売の日本の医療だから、本業も副業も医業では消耗する

薄利多売の日本の医療

カナダも日本も一人当たりの年間医療介護費は45〜50万円くらいなんですよ。違うのは、医療サービスを受ける頻度。信頼に足る資料がないので、感覚でモノをいいますが(←もっと信用できない)、私自身、カナダに来て医療施設受診する頻度は5~50%になった感があります。逆に言うと、日本では、2倍〜20倍の頻度で受診していたということ。

例えば、私はアトピー性皮膚炎持ちなので、日本では毎月1度の皮膚科受診してましたが、カナダに来てからはアトピー性皮膚炎と言う理由では1〜2年に1度の家庭医受診です(皮膚科専門医は3年前に予約してるけど、まだ順番が回ってこない)。インフルエンザ等で受診したことは、20年間1度もないし、急性の病気で受診したのって2年前の帯状疱疹だったかな? そのくらい。

で、この頻度、だいたい受診料や検査料に反映されてます。1つの診察や検査にかかる医療費(負担額じゃなくて病院に売上として入る金額)、カナダはサービス1つあたりの医療費高いんです。日本の2倍〜20倍です。

以前、【薄利多売】日本とカナダの医療費を比較したよ【牛丼か!?】で示した表を再掲します。

表:日本とカナダの医療サービス費用比較

女王様が手打ちで作成。もし間違いを見つけたら教えてください。積極的に嘘書くつもりはありませんが、実によく間違う人なので。

上の表(信用できるかどうかはともかく)によれば、カナダは国民皆保険で自己負担はゼロですが、外来受診するだけで医師が診察しなくても5万円ほどが病院の売上になります。医師が診察する場合、カナダの診察料は医師によって異なりますが、だいたい1人3,000円〜10,000円程度です。勿論、検査料などは別料金ですが、これも自己負担はゼロ。その代わり、医師に検査処方箋書いてもらって、自力で検査センターに予約とって別の日に検査になります(大学病院などでは、同じ病院でその日のうちに検査できます)。

一方、日本は3割ほどの自己負担がかかりますが、初診での外来受診は医師が診察必須で2820円が病院の売上(自己負担は846円)。検査料などは別料金ですが、それもカナダと比べると安い。

日本の医療従事者はカナダの2~20倍働かないと同じ売上が出せない

何が言いたいかというと、日本もカナダも国民1人あたりの医療介護費は大体同じだけど、日本の受診回数や検査回数はどんなに少なく見積もってもカナダの2倍ないと、同じ売上がでないってこと。下手すりゃ20倍です。つまり、雑に言えば、医療従事者は2〜20倍働かないとカナダと同じだけの売上が出せないってこと

日本の勤務医のみなさんにおかれましては、基幹病院などで無給〜低給で医師として忙しく働き、副業では高給で医師として忙しく働くのが一般的と思います。結局、ずっと忙しい。

女王様
カナダの医療もどうかと思うときはいっぱいある。でも、日本の薄利多売の医療の仕組みはいかがなものかと思う。

日本の医療費は増えているけど、医療従事者の給与は20年間据え置き

近年の国家の社会保障給付金は120兆円程度、そのうち約40兆円が医療費です。

バブルの頃(1990年)と2018年を比べてみましょう。
国 民 所 得:346.9兆円→414.1兆円    20%増(1.2倍)
社会保障給付金:   47.4兆円→121.3兆円 120%増(2.4倍)
医  療  費:   18.6兆円→  39.2兆円 110%増(2.1倍)
医師の年間所得:  1100万円→1150万円   5%増(1.05倍)*2001年度と2016年度

図2つ続けていきます。どーん。

図1:社会保障給付費の推移

 

図2:全職種年間所得(男女)と医師の年間所得、名目GDP、医療費、一人当たりの医療費

2001年-2016年(平成13年-28年)の厚生労働省の賃金構造基本統計調査を元にカステラ女王様が作図

 

なんということでしょう! 日本は、大してお金持ちになってないのに、社会保障費等への支出は増えている。社会保障給付金(医療費含む)増えてるのに、医師の年間所得は増えてない。

っていうか、医療費や社会保障給付金に投入できるお金は、国民がどの程度稼ぐかにもかかっているわけで、マクロでの経済成長が大切…なのに、日本はここ最近あまり国民総生産成長してません。その中にあって121.3兆円まで社会保障給付金増やしたり、39.2兆円まで医療費増やしたりしたのは、頑張ってるほうだと思う。

ちなみに、古い資料しかみつからなかったのだけど(10年前のもの)、医療費のうち、人件費の占める割合は、じりじり減っています。

できれば本業=医師で食べていって欲しい

正直、マトモ(?)な先生方には、医師を本業にして、本業でちゃんと食べていって欲しいのです。で、余力があれば、副業は医師以外の仕事もアリかな、くらいが、消耗しない副業のありかたかなと。医師の給与は既に20年間据え置きだし、このままの状態が続けば、医師の給料(特に時給)は減っていくだろうとは思いますが、食べてはいけるでしょう。

でも、本業でぎっちぎちに縛られて、専門医や学位を餌に(本当は取れた方がいいとは思う)無給〜低給で働いて、稼げない分を医師として副業バイトで補って、心身消耗して人生やめたくなるくらいなら、医師の方を副業にしてしまえ! と、思うわけです。

なお、現在の私にとっては健康診断も重要な収入源であり副業。本業は1つもなく、副業を多数持つ感じ。稼げてる順に

  1. 不動産
  2. コンサル業(母校の学長に紹介してもらった胡散臭くないやつw)
  3. 日本で健診バイト(ただし実働15日~20日x半日)
  4. ご近所の在宅プログラマのアプリ開発のお手伝い業(Ruby on Rails使用)
  5. ご近所のNPO法人立ち上げお手伝い業

このブログ始めた当初(2017年9月)は、仮想通貨とかFXもやりたいと思ってたけど、仮想通貨は全額1000円しか投資しておらず(でも、2000円になったYO)、FXは日本に住所がないとダメとのことで、結局手付かず。逆に、これで一本立ちは無理だけど、アプリ開発のお手伝いとかNPO法人立ち上げのお手伝いとかで小学生の小遣いか!くらいの収入だけど入るのは思ってもみなかったし、ちょい嬉しいです。

また、いつか書こう書こうと思っているうちに、タイミングを逃していたのですが(そのうち書きます)、複数ブログを持っていて、そちらからのアドセンス&アフィリエイト収入が合わせて3万円〜30万円/月あります。これは安定しないので、あまりあてにしていません(ので、生活費とかではなくて、私の大学カリヨン学科受験&進学費用、ハウステンボス代になっています)。所詮あぶく銭。

女王様
前書きやっと終わり。
にゃんこ
長すぎる!

医師を副業にして10年経って思うこと1:だいたいなんとかなる

10年前、「ああ、もう、医者90%ほど辞めちゃえ(でも全部辞めると不安だから10%は残しておこう)」と、思った当時、10年経ったら誰も雇ってくれないだろうとも思っていました。もともと臨床医じゃないし。

だから、娘と二人なら全く働かなくてもギリ生き延びられる程度の不動産収入を確保していなかったら、ここまですっきりさっぱり(とはいえ10%ほど残して)医者やめることはなできなかったでしょう。

けどね、以前、【悩みをスパッと】医者(医師)辞めたいと思ったらやるべき事【6つの解決ステップ】にも、ちらっと書いたのですが、どうやっても、だいたいなんとかなっちゃうんじゃないかと思う今日この頃です。

私の心の平穏のためには、不労所得があった方が絶対にいいので、不動産を手放す予定は今の所ありません。稼ぎ頭だし。

しかし、ぐるぐると「不労所得なくても、なんとかなったかも知れないな(ただし他人にはお勧めしない)」と、思ってしまうのも事実。

カナダに住んでるのに英語もそんなに上手じゃないし、カナダで医師免許取れてるわけじゃないし、50歳すぎてるし、客観的に残念系移民としかいいようがない案件! の私ですが。10年も同じ場所に住んでると、ちょこちょこ仕事(とお金)くれる人が現れたりします。人生ちょろいんじゃないかとすら思い始めています。みなさんお気づきのように、調子に乗って失敗しやすいタイプなので、話半分で聞いて欲しいけど。

さらに、10年経ったら、さすがに日本に一時帰国時のバイトもないだろう…と、思っていたけど、まだある。しかも選べる。一時帰国前になると、先方から「今年もお願いします、カナダからの旅費半分持つから、先生、できるだけたくさんの回数来てね」と熱烈なラブレターがくる程度には、仕事があります。

この先の10年後はもっと厳しいかもしれないけど、でも、やっぱり、だいたい何とかなる気がします。

医師を副業にして10年経って思うこと2:個人的にはめっちゃ満足

もし、今の状態を知ってて10年前に戻ったら、やはり躊躇なく、医者副業にすることにしたと思います。個人的にはめっちゃ満足です。最も大きな理由は、大切な人たち(私の場合は家族)と過ごす時間がたっぷり取れたことと、その上で自分一人の時間も取れたこと。

逆にいうと、私にとっては、時間(家族と過ごす時間と一人で過ごす時間の両方)以外に重要なことって、あまりないから満足度が高いのかもしれません。

なお、「子供が生まれたから医者やめようと思ったの?」って尋ねられることがありますが、医者やめようと思ったのは、妊娠前。子供が生まれたからではありません。これはハッキリさせておきたい。

が、辞めてよかったな〜と、しみじみ思う理由の1つに、間違いなく子供と過ごす時間は入っています。子供のために辞めたわけじゃないのだけどね。

医師を副業にして10年経って思うこと3:用意しておいてよかった不労所得(ただし低所得)

これは今にして思うと、なくてもなんとかなったかも、なんて、思うのですが、全然なかったら不安でしょうがなかったはず。そして、結局、医者辞められずに、カナダ人夫を残して単身日本に帰るか、カナダで医師であろうとし続け、あまり興味が持てない家庭医を北極圏ですることになったかもしれません(唯一マッチされたプログラムが北極圏の家庭医レジデント)。

もちろん、実家が太いとか、配偶者が資産家! とか、そういうのでもいいんです。

が、私の実家は経済的にはしょぼいし、私の配偶者は色男金と力はなかりけりを体現したイケメンなので(そうですのろけです)、やっぱり昔の私GJとも思う。

女王様
不労所得はなくてもなんとかなった気がするけど、もっとあっても良ろしくってよとも思う。

医師を副業にして10年経って思うこと4:現在進行形で頑張ってる先生には安易に勧められないとも思う

自分は満足しているのですが、医師を副業にするのは、現在進行形で頑張ってる先生方には安易に勧めちゃいけないとも思っています。

臨床系であれ、基礎系であれ、私が好きでやってた産業医であれ、医師として働く時間も、また大切な「時間」だと思うわけです。他の仕事もそうだけどね。

だから、現在の仕事に満足しているのなら、その時間を大切にしてホスィ。

ただ、その上で、理不尽な目にあった時に「こんなところ、やめてやる! (ばーん)」ができるように、「1000万円以上の貯金」か「15万円以上/月の不労所得」か医師以外の副業は、あった方がいいんじゃないかなぁとも思うわけです(この金額は、金遣いの荒さによって多少違います、私は1,000万円あると5年は余裕で暮らせちゃうんで、少なめ。)。

女王様
お金と書いて逃げ道と読みます。逃げ道は多ければ多い方が良いでしょ?

医師を副業にして10年経って思うこと5:反省点は、医師であることから離れすぎて、劣化著しいこと

反省点は、医師であることから離れすぎて、劣化著しいこと。副業でも医師と名乗ってはいけないレベル。健康診断バイトは今も一時帰国中にやっていますが、もうやらない方がいいかなーとすら思っています。

でも、言い訳になっちゃうけど、昔だと考えられないほどレベル高い先生が健診に流れてきているとはいえ、それはまだまだ一部。

自分が低レベルな医師であるという自覚はありますが、それでもビンゴ率&受診者さんからの評判が良いからと(ホントかよ🤔)、一時帰国前になると、健診会社さんからラブレターと旅費(エコノミー最安値片道分だけど)が届く程度の仕事はしている…らしいのですよ。ラブレターと旅費が届くうちは、できるだけ自分をアップデートして、受診者さんに利益の多い健診を目指したいかなとも思ってます。

ただ、私は「コレで、ま、いいかなー、逃げ切れればいいし」くらいの感じですが、現在進行形で頑張っていらっしゃる先生が、劣化していく自分に精神的に耐えられるかどうかは非常に疑問です。私は臨床医としては💩なので、劣化すると言っても、実際にはこれ以上底辺になりようがありません。

また、私は元々、他の職業に自分がつくことに抵抗がないというか、むしろ、どれも中途半端になっても、死ぬ前にアレコレやってみたいのです。医師としてより高みを目指すという生き方は、勿論、魅力的な生き方の一つですが、私はそうではありません。

だけど、現場で頑張っていらっしゃる先生方は、より良い医師でありたいから、💩な労働条件でも頑張っていらっしゃるんですよね。

ですから、医師を副業にするのは、私は個人的大満足していても、やはり安易には勧められません。そして、医師としての劣化は避けられないのもどうしようもない事実です。

まとめ

医師を副業にするのは個人的には大満足。でも、他の人には安易に勧められないと思うし、劣化も著しいので、もう、自分のことは医師と呼んじゃいけない気がするほどです。

それでも、消耗して人生やめたくなるくらいだったら、選択肢として考えても悪くはないかな、逃げの手段としてはアリかなと、思う程度にはオススメです。

それよりは、よりホワイトな病院に転職してほしいけどね。

ってことで、最後に恒例の広告をぺたり。

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