医者やめたい病(1):原因

あら、こんな場末のブログにようこそ。

どうも、ドロッポ医界の女王様、Castella(カステラ女王様 @Rainha_Castella )です。

私は、息するように自然に医者を辞めちゃったドロッポエリート中のエリートですが、ドロッポ庶民の皆さんの中には医者やめたい病に罹患しつつやめることもできずにいらっしゃる方も多いようですね。

今回は、上から目線で、「医者やめたい病」のドロッポ庶民医師のみなさんに、そっと寄り添うw記事を書いてみました。

女王様の寄り添い要らないけど、さっさとバイト探したい人はこちら

医師やめたい病の原因

私が面白い(褒め言葉です)と尊敬している医師の一人にマッシー池田先生がいらっしゃるのですが、池田先生が国立秩父学園に勤務されてた頃(たぶん10年くらい前)に作成なさったスライドが以下。

医者やめたい病スライド

マッシー池田先生の医者やめたい病スライドによれば、「いつも〜時々」の有病率は67%(当時)。今も、この有病率は大して変わらないと思われます。

医者やめたい病の原因について列記してみましょう。

原因1:業務量が多すぎて、睡眠時間も家族や大切な人との時間も取れない

ドロッポ庶民な一般医師の皆さんにとって、ワークライフバランスって、ちゃんと睡眠取れて、家族や大切な人との時間が取れてる状態で質のいい医療したいという、庶民らしいささやかな願いですよね、たぶん。

女王様
ですが、そんな当たり前のことが「願い」になっちゃう状態だと、医者やめたい病の発症率が高まります。

逆に言えば、睡眠がちゃんととれ(時間重要)、家族や大切な人との時間が取れている間は、勤務自体が激務であっても、「医者やめたい病」の発症率はとっても低いです。

言っときますが、忙しい職場やハラスメント職場では、「睡眠の質」に問題をすり替えて、睡眠不足を個人の努力のせいにしがちです。それ、違うから!

睡眠はまず「量(時間)」。当直(という名の夜勤)する/させるときにやっと仕方なく「質」の問題が出てきますが、それはシフトとか夜勤回数とか労務管理上の問題であって、個人の努力の問題ではありません。

 原因2:各種ハラスメント

日加両国でがっつり産業医学やった立場から自信持って言いますが、睡眠時間削らないと回らないほど忙しい職場って、他に理由がなくても、それだけで各種ハラスメントの温床になりやすいです(注:経験だけで語っています、エビデンスなし)。

睡眠不足で判断能力が低下した状態で、ちゃんとした指導せずに難しい仕事させて、ミス誘発させ、上級医としてそのミスをカバーするだけで、若い医師の信者を作り上げることができちゃう。

女王様
再現率があまりにも高いので、正直、私もやろうかなと思っちゃったことがあるくらい。

さらにもうひと押し、ミスを本人の未熟さのせいに仕立てて、「私のいう通りにしてれば問題ない」とか言っちゃって、実際そういう状態を作り上げれば、あっという間に素敵な奴隷が育ちます。上手にハラスメントすると、他人をコントロールできるんです。恐ろしい。

若い医師を自分の信者かつ奴隷医として養成したい場合には、ある意味、正しい戦略とも言えましょう。

でもね、お気づきとは思いますが、病院なんて、ほとんど全部この条件下にあります。「うちは違う!」ってイキリ立って言わないでね。そりゃ例外もキリなくあるでしょう。けどね、そこでいきり立って「そうじゃないところもある!」って主張したくなる時点でどうかしてるのよ。

忙しいだけならまだしも、ハラスメントが横行するような職場では「医者やめたい病」は蔓延します。そのくらいで済めばいいけど「人生やめたい病」の有病率まで上がります。「人生やめたい病」の致死率は「医者やめたい病」よりはるかに高いので危険。

原因3:睡眠不足で働いてるのに医療ミスしちゃいけない環境

睡眠不足+ハラスメントでかなりキテる上に、医療ミスを回避しなくてはいけないプレッシャーまであるのって理不尽ですね。

少なく見積もって半分以上の病院がそうだと思うけど(根拠なしテキトー)。

寝不足で判断力が滅茶苦茶低下している状態で、常に正しい判断をして医療ミスを起こさずに医療を提供する罰ゲームを365日24時間何年も何年も続けなきゃいけない環境下では、医者やめたい病の有病率は90%以上にのぼると言われてます(根拠なしテキトー)。

あ、それから、先輩医師から押し付けられる安くて寝られない「残りカス」当直バイトに行く場合は、医師賠償責任保険に加入しときましょう。睡眠時間削って行ったバイト先病院で訴訟にでもなったら、タダでさえ少ない睡眠時間がさらに削られます。

日本外科学会、日本整形外科学会、日本循環器学会など、メジャーな学会の会員は保険料20%割引になりますが、そういうメジャーな学会に入ってない場合は、民間医局から保険加入すると同じ割引が受けられますよ。



原因4:医師であること(になること)の覚悟を背負いすぎちゃってる

2002年4月16日に朝日新聞に掲載された前金沢大学医学部附属病院長 河崎一夫先生の「医学生へ「医学を選んだ君に問う」」を読んだことある人は多いと思います(引用可能な文献が拾えなかったので、各自ググってください、ネット上にいっぱい落ちてます)。でもこれ、どうしても賛同できない

今は反省しておりますが、私も河崎先生がおっしゃる「よく学び、よく学び」主義に毒された世代。だから、当直(という名の夜勤)明けの診療が辛いとか聞くと「根性ないわね」「私の若い頃なんて(以下地獄のミサワ)」「寝る暇があるんなら勉強すればいいのに」なんて思ってた時期も実はちょこっとある。

でもね、日本式の当直明けでの診療って飲酒運転並みに危険なことなのに、その状態で診療するのを良しとしたり、睡眠削って勉強するのを当たり前と考えたり、家族や大切な人と楽しみにしていた予定をキャンセルすることまで医師の覚悟に含まれるのなら、そんな覚悟ない方がマシです。

それにね、私、医師免許の持ってる人の中では色々な仕事をした方に入ると思うんだけど、どんな仕事も、私利私欲だけ追求してても、よほどのことがなければ、必ず誰かの為にはなってしまうんだな。

医師の仕事は確かに誰かの役に立ってる感の強い仕事だけど、だからって特別にすごいw覚悟がいるって考え、違くない? そう思うのは勝手だけど、若い人や私のようなドロッポ医に押し付けないで自己完結してほしい。

原因5:医局のゴタゴタ

ここでは詳細書かないけど、いろいろあるよね。

ただ、医局のゴタゴタくらいで「医者やめたい病」になったらもったいないので、「医やめたい病」くらいにしときません?

医師免許持った状態で医者を辞めるのはチートに近い

医者やめて10年経ってしみじみ思うのですが、医師免許を持った状態で医師辞めるって、一種のチートだなと。

女王様

医師免許とったこと自体は、実に良かった。高校生の自分GJ。

医師免許を持っているということは、「いざとなったら(医師としての程度は兎も角)医師に戻れる」ということです。さらに、その上で、医師以外の仕事もできてしまう。

現在、医者っぽい仕事は年に20日X4時間以内に留めていて、不動産収入で生活しているのですが、贅沢しなければ、医者っぽい仕事を完全にやめても逃げ切れる感じです。でも、完全にゼロにはしないつもり。

何が言いたいかというと、医師免許は、上手に使えば、人生の冒険をする上でなかなか便利なお守りになるってこと。

お守り(医師免許)持ってるんだから、医師は辞めても人生は辞めるな

せっかくのお守り(医師免許)です。

そのお守り(医師免許)を真摯に誠実に使って、睡眠時間削って、家族や大切な人との時間を削って、たくさんの人助けて自分が燃え尽きて、人生まで辞めちゃったら、お守りの意味がない。

医師免許は無理して使わなくてもいいんです。医師以外のことで稼ぐ方法なんていくらでもあるんです。

私が医者をやめた10年前だって医者やめたい病の罹患率は67%だったし、医療崩壊は叫ばれていました。医者やめたい病の原因なんて、いたるところに転がっています。

ドロッポエリートの私としては、正直、むしろ、なんで辞めないんだろうの境地ですが、使命感とか責任感とか、医師と紐付けされたアイデンティティとか、ホントは、逃げるのがそんなに簡単でもないことは、ちょこっと理解してはいます。

ま、でも、レールを外れる経験っていうか、自分で決める経験があると、理不尽なことがあった時に自分のペースで物事を進めやすくなります。

医局で偉くなってしまうと、レール外れるのも、ものっそい勇気がいるので、ペーペーのうちに、医局の先輩医師から押し付けられるハズレのバイトばかりじゃなく、自分でバイト探すくらいはやってみてもいいんじゃないかな。

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