ワクチン怖がってる人が、接種会場に来たらどうする?


2022年8月23日追記:2017年に書いて掲載して数時間で炎上しそうな状態になってしまったので、速攻で封印した後、2021年に再掲してまた封印したブログ記事ですが、再再掲することにしました。燃えそうだったら再び封印します。なお、2017年当時のタイトルは、「近藤誠さんの信者が受診にきたらどうする?」でした。

2021年7月18日追記:2017年に書いて掲載して数時間で炎上しそうな状態になってしまったので、速攻で封印したブログ記事ですが、掲載することにしました。燃えそうだったら再び封印します。なお、当時のタイトルは、「近藤誠さんの信者が受診にきたらどうする?」でした。

2022年8月23日追記:2017年は隠居中でしたが、2019年に大学生(カリヨン専攻科)になり、2022年は9月から大学院(音楽&文化学部修士課程)に進学します。

2021年7月18日追記:隠居やめて、ただいま女子大生…ですが、夏休みにカリヨン師匠のトコでバイトしてて、あまり優雅な隠居生活ではないです。でも、たのしー女子大生生活!

ここから先2017年に記載 ↓

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みなさん、こんにちは。Castella (カステラ女王様 @Rainha_Castella )です。普段は医師免許持ってることも忘れて、優雅で怠惰な隠居生活しています。

ワクチン? 受けるし、受けさせますよ。全力で。自分の身内には。

最近ハマっているのは、このダンスの練習。
カナダのこの冬も元気に乗り切り、リアル友人(超少ない)と一緒に、新年会の隠し芸でやるんだ〜♪
これで、みんな(って誰?)、ワタクシ達のトリコね。

Youtube 【TDC】バブリーダンスPV 登美丘高校ダンス部 Tomioka Dance Club より転載

2021年7月18日追記:バブリーダンス大成功でした。翌年にはUSA! を踊りましたよ!

近藤誠さんの新著書「ワクチン副作用の恐怖」

2017年11月6日、元慶應大学放射線科講師の近藤誠さんが、「ワクチン副作用の恐怖」という新著書を出版しました。

私は、「ワクチンは正義」派なので、タイトル見た瞬間「トンデモだね。」と、反射的に思ったけど、読まずに決めつけるのはダサいと思い直し、Kindle で購入。Kindle版なら1,000円でちょっとお得。カナダに住んでても秒速で購入できます。いい時代に生まれました。お手持ちのパソコンでも読めますよ。

いや、文章うまいんですよ。彼。

だから、系統的に医学を学んでいない人が、彼の文章を読んだら、信じてしまうだろうとも思うんですよね、彼本気でそう思ってるし。

で、せっかくだから、近藤さんどうしてこうなった…ってブログ記事書こうかな…って思ったのですが、私が書きたいと思っていたことをその500倍くらい適切な表現で、岩田健太郎さんがとっくに書いていたwww、私の出る幕じゃないwww。

このページ:2017年11月09日 近藤誠さんとの対峙の仕方ね。

岩田健太郎さんは、たくさん本も書いていて、彼が10か月前に書いた「ワクチンは怖くない」は、期せずして近藤誠さんの新著書に対する反論にもなっています。こっちの本も買って読んじゃった。すごく面白かったし、近藤さんの熱量と同じくらいの熱量で、ワクチンについて分かりやすく書いてあるので、おすすめです。

いきなりまとめ

色々書いてたら、無駄に長くなったので、先にまとめます。

  • 自分の意見(ワクチンは正義、自分の子供には接種する/した)は「伝える」
  • 「説得」はしない
  • 「気が変わったら声かけてね」くらいは言っとく

ちなみに、医師が対話して、ワクチン拒否の親の気が変わるのは、30〜47%程度1)だそうです。けっこう多いね。

これは、カナダの医師国家試験で、「ワクチン拒否する親にあったらどうする」という設問に、「今の私なら」どう答えるかってことでもあります。
もし興味があったら、こちらもどうぞ。

カナダの医師国家試験問題:我が子へのワクチン接種を拒否する母親と語れ

2017年11月9日

思い出した2つのこと

荻野目洋子がダンシングヒーローを踊り(1985年)、時任三郎が24時間戦えますかと歌った(1988年)少し後の時代に、当時、「①なんでもかんでも切り取る+②なんでもかんでも抗がん剤+③それなのに告知はしない/患者に選択の余地もない」なガン治療に一石を投じたのが、当時の近藤誠さんです。

なお、当時から24時間戦うのイヤすぎるって思ってたけど(バブル脳なのに)、時任三郎はかなり好き。

Youtube 【CM 1989-91】三共 Regain 30秒×7 by nv850hd3

思い出したこと1:1990年代のがん治療の専門家(?)達は、なかなか残念だった

1992年頃には既に、1996年に出版された近藤誠さんの著書「患者よ、がんと戦うな」の骨子はできていて、彼の雑誌連載記事を、ぴっちぴちの若き医師だった私(書いてて恥ずかしい)は夢中になって読みました。

当時、近藤誠さんは一見ガンに見えるけど、自然に消えちゃうガンを「がんもどき」とわかりやすく表現し、ガンに見えるものを、なんでもかんでも切ったり抗がん剤治療をするのは間違っていると主張(実際、いつの間にか自然消退する「ガンに見えるもの」は、存在します)。今は、近藤さん自体が唱えてる「がんもどき」自体の定義が、彼の中で変わっちゃったけどね。

その頃、私は臨床研修をしていて、私が今も尊敬している当時の上司も、「ボク、近藤誠さんの意見には全部賛成ってわけじゃないけど、彼の意見には納得できる部分も多い」とおっしゃっていたのも付け加えておきます。

一方、当時、がん治療の中心的役割を果たしていた外科医の多くは、「がんもどきは、おでんだけにしとけ」と、それこそ脳みその中におでん詰まってるんじゃないの? って感じの理屈もクソもないアホみたいな反論をしていたし、二重盲検試験? エビデンス? 患者さんを実験台にするの? みたいなことを言ってたわけです。理屈におでん投げて返すような残念医師は、当時ホントに多かった。(一部私の妄想を含みます。が、これでもだいぶ遠慮した表現です、あと、おでんにはなんの恨みもありません、むしろ好き)。

思い出したこと2:カナダの医師国家試験では、「説得」ではなく「対話」が求められた

医師であるAndrew Wakefield が、「MMR(麻疹、おたふく風邪、風疹)ワクチンは自閉症の原因である」という論文(1998年)を出して数年後の200X年、私は、カナダの医師国家試験であるMCCQE part 2を受験しました。

そして、そこで出題されたのが、「我が子へのワクチン接種を拒否する母親と語れ」。
興味のある方は以下をご覧ください。

カナダの医師国家試験問題:我が子へのワクチン接種を拒否する母親と語れ

2017年11月9日

当時、まだ、Andrew Wakefield の論文(MMRが自閉症の原因説)は取り消しになっていなかったし、彼の主張を信じる人は、一般の人に限らず、医師にも少なからずいたんです。

それはともかく、Andrew Wakefield の意見は、今の近藤誠さんの主張よりは、世の中に受け入れられてはいたけど、カナダの公衆衛生としては、「ワクチンは正義」だったわけです。当時でも。

でも、カナダの医師国家試験で求められたのは「説得」ではなく「対話」でした。

ワクチンは誰のために?

ワクチンは集団の感染症予防に役に立つのは確か

カナダ(というか、オンタリオ州)では、ワクチン証明がなければ幼稚園も小学校も入学が許されません。当然ですが、大学も。

うちの子も、入学前には、こちらのコピーを提出しました。

でもね、ワクチンを強制することは、実は、ありません。小学校に入れないのは困るので、強制しているのと同じようなものかもしれないけれど、義務教育の間(カナダは高校まで)は Home Schooling 制度は機能しているし、大学に入りたければ、親元を離れてから、自分の意志でワクチンのキャッチアップを行えば済むこと(簡単じゃないけど)。

ワクチン証明がなければ、学校に行くのにかなり不自由なことは確かですが、ワクチン受けない選択肢はちゃんと残されてはいます。

ワクチンは、最終的には、個人のために

何が言いたいかというと、ワクチン接種を語る時に、公衆衛生学的なベネフィット(集団が得られる健康上のベネフィット)をどうしても語りたくなってしまうものだけれども、ワクチン接種するか否かは、適切な情報提供をうけた上で、最終的には、個人が自分の事情に合わせて選択するべきと、私は考えています。

そりゃー、私は、「ワクチンは正義派」だし、自分や自分の子供にはワクチン接種する/させるし、できれば周りの人もワクチン接種してくれた方が、私にとっては都合が良いけど。

でも、公衆衛生の向上のために、誰かにワクチンを強制するのはどうなのかな。ましてや、「アナタがワクチン受けないと、みんながインフルエンザに罹る可能性が上がるのよ!」なんて、魔女狩りみたいなことをする社会には住みたくないかも。

2021年7月19日追記:COVID19のワクチンができた今も、できるだけたくさんの人がワクチン受けてくれた方が「私にとって」都合がいいけど、やっぱり最終的には個人が自分自身のために、納得して受けられるといいなと思っています。

近藤誠氏の「ワクチン副作用の恐怖」読者である親の不安にどう対応する?

やっと本題です。

ってことで、私なら(できるかどうかは知らん)、

  • 自分の意見(ワクチンは私にとって正義、自分の子供には接種する/した)は「伝える」
  • 「説得」はしない
  • 「気が変わったら声かけてね」くらいは言っとく

「いきなりまとめ」で書いたように、私なら上述のことを行います。
今後、私が臨床医をすることがあるとは思えないけど。

自分の意見(ワクチンは正義、自分の子供には接種する/した)は「伝える」

私は、もう、あまり医者じゃないけど、末端の医者として何かするときには、その時に最良と信じることを行うしかないかなーと。

つまり、私にとって「ワクチンは正義」なのだから、どの親にも、一度くらいは、「私は、自分の子供には接種したし、ワクチン接種は理にかなってると、思う」と伝えるくらいはするでしょう。

その前に話を全力で聞くけど。なんかさ、私もそうだけど、「聞いてもらえた」って思わないと、人って話長くなるじゃん?

「説得」はしない

これはそのまんま。

余力があれば、資料くらいは用意するかも。例えば、麻疹なら、以下の2つ ( 1)厚労省の資料、2)CDCの副作用報告)くらいは用意するかも。でも、頭から信じてる人に資料は響かないから、それもやんないかも。

1)厚生労働省の資料3)(麻疹の例)

厚生労働省 学校における 麻しん対策ガイドライン. 2006 P20 より転載

2)CDC の ワクチン情報4)の日本語訳(MMRの例:()内は私によるテキトーな訳)

Most people who get MMR vaccine do not have any serious problems with it.;MMRワクチン摂取をうけても、ほとんどの人には深刻な副反応はみられない

Mild problems;軽度

  • Fever (up to 1 person out of 6):発熱(6人に1人)
  • Mild rash (about 1 person out of 20):軽度の発赤(20人に1人)
  • Swelling of glands in the cheeks or neck (about 1 person out of 75):頰腺や頸部の腫脹(75人に1人)

If these problems occur, it is usually within 6-14 days after the shot. They occur less often after the second dose.:これらは、接種後、6−14日内に発症し、2回目では頻度が減る

Moderate problems:中等度

  • Seizure (jerking or staring) caused by fever (about 1 out of 3,000 doses):熱性痙攣(攣縮、凝視)(3,000回に1回)
  • Temporary pain and stiffness in the joints, mostly in teenage or adult women (up to 1 out of 4);関節痛や関節のこわばり、多くはティーンエイジャーや成人女性にみられる(4人に1人)
  • Temporary low platelet count, which can cause a bleeding disorder (about 1 out of 30,000 doses);一過性血小板減少による出血等(30,000回に1回)

Severe problems (very rare):重度(稀)

  • Serious allergic reaction (less than 1 out of a million doses);重篤なアレルギー反応100万回に1回)
  • Several other severe problems have been reported after a child gets MMR vaccine, including;他にもいくつかの障害が、小児へのMMR後に報告さている
    • Deafness:難聴
    • Long-term seizures, coma, or lowered consciousness:長期にわたる痙攣、昏睡、意識低下
    • Permanent brain damage:恒久的脳障害

These are so rare that it is hard to tell whether they are caused by the vaccine.:これらの障害は稀であり、MMRワクチンによるものかどうかは不明

MMR,Vaccine Information Statements (VISs). CDC より転載

「気が変わったら声かけてね」くらいは言っとく

小児科に来たってことは、子供のことは気にかけてはいるってことだとは思うので、「気が変わったら声かけてね」って伝えて、終わり。

先方がもっと話したいことがあれば、(時間内なら)全力で聞きますが、説得はしないよ。お互い不幸になるだけと思うので。

もし、能力高めの医師なら

私は底辺ドロッポ医で、その能力がないのだけど、もし、私が能力高めの医師なら、上述の対応をしつつ、一般の人に対して、ワクチンについて「わかりやすい言葉で」伝えられたらいいなと思います。繰り返しますが、私はやんないけど。

岩田健太郎さんの本は、格調高めだし、近藤誠先生の新著書の前に書かれたものだから、そっくりそのまま反論には使えないし、一般の人にはちょっと難しいかも知れないとも思う(正直に言うと、私にもちょい難しかった。賢めの一般人なら、余裕で理解できるくらいには分かりやすいとは思うけど)。

TwitterやAmazonの書評で近藤誠さんの新著書について、「専門家なら簡単に反論できる内容ばかり」とか、「医学的な根拠が弱い」とか、抽象的で総論的なことを書いても、今現在、不安になっている親には届かないと思んですが、どーでしょうか?

ちなみに、岩田健太郎さんだって全部のワクチンに大賛成ってわけじゃないし、近藤誠さんだって全部のワクチンに大反対ってわけじゃないのよ。

まとめ

医師と会話することで、30〜47%の確率で親の気が変わればそれでいいし、53〜70%の確率で親の気が変わらなくても、それもまた良し。

全ての親を説得するのは不可能だし、説得しようとすればするほど、親は医療不信に陥ることでしょう。お互いの不幸になることは避けたいよね。

なお、「時間外にワクチン拒否な親の説得することまでお仕事」な職場で働いてる先生方におかれましては、転職などを視野に入れることをオススメしております。(キリッ

【参考文献】
1)Mary C. Politi, Katherine M. Jones,Sydney E. Philpott. The Role of Patient Engagement in Addressing Parents’ Perceptions About Immunizations. JAMA. 2017;318(3):237-238.
2)近藤誠. ワクチン副作用の恐怖. 文藝春秋. 2017
3)厚生労働省. 学校における 麻しん対策ガイドライン:p20  2006


 

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