どうも、Castella (カステラ女王様 @Rainha_Castella )です。普段は医師免許持ってることも忘れて、優雅で怠惰な隠居生活しています。
私は低コスト体質で、物欲がほぼないこともあり、夫に何かあっても、隠居したまま娘と夫と私3人で生きていける程度に収入があります(かなり残念な低収入ですが)。現状、せっかくそこそこ稼ぐ夫もいるので、夫の稼ぎにもあてにしてはいるけど、なければなくても暮らしていける、みたいな。
つまり、がっつり働いて高収入で自由な時間が減るより、低収入でも好きなことばかりできる今の生活を選択しています。と、書きつつ、実は私、10年間の低収入隠居にはさすがに飽きてきたんだけどね。
目次でサクッと把握
人生は意外と短い
低収入なのに隠居した理由
私が隠居をきめた理由を思いつくまま列記。
- 低収入だけど不労所得に近い収入があり、働かなくても夫と死別しても食べていけそうだった
- 夫がそこそこ稼ぐので、依存できなくもない
- 意外と人生短いので、退職後に始めようと思ってることは、今すぐやったほうがいいことに気づいた
- 年取ってから授かった子供が予想外に興味深く、究極の育児ゲームを誰かに任せるくらいなら自分でやりたかった
- よく考えたら、カナダで産業医できる確率が低すぎた(カナダで医師免許取り直しても、たぶん家庭医しかできない←私にとってはそれほど興味ない分野)
- よく考えたら、日本での産業医はメンタルヘルス花盛り←私にとってはそれほど興味ない分野
- カナダで産業医学学んだら、長時間労働者が心身ともに健康でいるには、長時間労働自体をやめさせるしかないという結論に達したけど、それって医学じゃなくて労務管理
私たちは、それほど好きでないことをやり続けるほど暇でない
私は、嫌なことから逃げるのが上手です。逃げていると意識すらせず、気づいたら逃げている。たぶん「逃げ」の天才。
でも、「逃げ」の天才の私でも、はっきり嫌だと自覚しているものからは逃げられるのに、「そんなに嫌じゃない」「それほど好きでない」ことだと、ずるずるやっちゃうんですよね。今も油断してると、「嫌じゃないけど、そんなに好きでもない」ことに時間を費やしてしまいます。
もちろん、収入が全くない場合には、「嫌じゃないけど、そんなに好きでもない」ことで稼ぐのは合理的です。
でも、大切なので繰り返しますが、生活はできてしまう程度に稼げている場合、好きなことじゃないことをやり続けるほど暇でもない。
私たちは「働くため」に消費している
若い頃、もっと稼いでいる頃には意識していなかったのですが、私たちは、「働くため」にたくさんの時間とお金を消費しています。
例えば通勤:1時間半/日+交通費
交通費が出る勤め先も多いですよね。でも、時間は?
通勤に使った時間は、勤務時間にはカウントされません。
例えば服装:1時間/週+被服費
ジャージやのびのびジーンズで働ける場所は、あまり多くありません(それって、女性としてどうななのよという意見はさておき)。産業医は医師というより会社員寄りなので、会社や工場では作業服で良くても、通勤時はそれなりにキチンとしている必要があります。
そういう服装の多くは、クリーニングに出さなくちゃいけないわけで、クリーニング屋さんに持っていく手間とか時間とかがもったいないように感じるんですよね。
例えば家事:休日の5〜10時間、または平日の2時間、あるいは家政婦さん代
趣味に近い好きな家事もあるんですよ、丸焼き料理とか、カステラ作りとか、洋裁とか、木工(家事?)とか。
でも、好きでない家事ほど必要度が高く、かつ、やって当たり前感が強いという不思議。
そして、忙しい状態であればあるほど、楽しい方の家事をする時間はますます少なくなり、好きでない方の家事(=やって当たり前感のある家事)だけが積み残されていきます。これ、誰かがやらないといけないんだよね。
好きな家事のついでに行う好きでない家事は気づかないうちに終わるのに、仕事の合間に行う必要最低限の家事は辛いです。家政婦さんにお任せするにしても、良い方を探すのは大変だし、家政婦さんとの打ち合わせも意外に時間がかかります。
例えば子育て:預けるための準備だけで1時間/日+シッター代など
保育所が安くないとか、保育所の人数枠に限りがあって、必ずしも預けられるわけではないとか、子供が小学校になってからの預け先がないとか、そっち方向の解決すべき問題もたくさんありますが、子供誰かに預けても別にそんなに楽にならない。っていうか正直、子供を誰かに預けるための作業って量多くないですか? 私、要領が悪いせいか、子供を学校に送って迎えるための作業だけで1時間くらいは費やしてる気がします。手際のいい人は30分くらいでできるものかしら?
朝預けて、勤務して、夜引き取って。。。赤字の部分は、私はしなくてもいい部分だけど、宿題あるんならやっといてね〜って声かけて、子供の体調が悪ければ呼び出されて、園や学校からもらうプリントに目を通して。。。外で働いてなくても、義務教育でも、けっこう大変に感じてしまいます。しかも、うち、一人っ子なのに。。。
外で働いているお父さんお母さんって、こういうこと毎日やった上で、さらに勤務してるってことですよね!?
仕事をするための消費が減れば、何も節約しなくても生活コストが下がる
私は子供が生まれる前に隠居してしまったので、子供のいる状態で働いたことがないのですが、それでも「仕事するために」多くの時間やお金を消費してきました。
さらに、子供がいるってだけで、時間的金銭的コストはかかるものだと実感しています。もし、私がこの状態で勤務医だったら、家事と子育てを外注したとしても、完全にキャパオーバー。皆、どうやってるんだろう?
隠居のいいところの1つは、「仕事をするためのコスト」を払わなくて良い点です。
例えば、個人的には、
毎月残業含めて240時間勤務して(コスト含め300時間)+月に80万円稼ぐ(コスト差し引くと70万円)の生活
より、
毎月不動産のメンテナンスやコンサルタント業など60時間ほど働いて、月に15万円稼ぐ
の方が、好みだし、コスパいいと感じます。最近は、もっと稼げたた方がいいかな〜ととも思ってるけどね。
隠居すると、縛られずに「好きだから」で選べることが増える
隠居すると、僻地(あるいは都会)に住まなくちゃいけないとか、子供を預けなくちゃいけないとか、子供が病気の時にも働けるように/休めるように段取りをしておかなくてはならないとか、そんなことに縛られずに済みます。だって、もう、仕事してないんだから。
縛られていない状態で、僻地に住みたいから僻地に住んだり、東京に住みたいから東京に住んだり、自分の時間を持ちたいからという理由で子供を預けたり、勉強したいからと言う理由だけで、ふんだんに時間を使って仕事に関係ない勉強できたり、子供が病気の時には仕事を誰かに任せる段取りをすることなく、びゅんっと迎えに行くことができてしまう。
つまり、仕事をしないことで、何も節約しなくても、「仕事に費やす」コストが削減でき、少なくとも、その時間とお金はまるっと自分のために使うことができるのです。特に、時間コスト削減による縛りからの解放は大きなメリットです。
隠居とは、働くか働かないかを自分で選べるということ
多くの人にとって、隠居とは、縁側でお抹茶を飲んで日がな一日、ぼーっとくつろいでいるイメージでしょうか? 実際、私も一日の半分くらいはそうやって過ごしています。だって、時間が自由になるんだもん。
が、私にとって、隠居の本質は、やりたくない仕事は大金を積まれてもやらないで済むし、やりたい仕事は1円にもならなくても「面白い」ことを報酬にやれてしまうということ。
例えば、「素人おばちゃん達が、カナダでNPO法人作る。。。だと? とりあえずやってみる」でも書いたように、私達は何の予備知識もなしでカナダでゼロからNPO法人を立ち上げようとしています。
NPO法人なんて作っても、私たちには1セントにもならないし(先生たちの給与や弁護士代くらいの資金源は徴収できるけど)、苦手な英語の文章もたくさん読まなくてはならない。時間も使ってしまう。
けれども、税理士や弁護士や会計士とやりとりするのは初めての体験で楽しいし、ドキドキしながら日本大使館に協力要請の話をしに行くのも新鮮だし(そして、意外と親切なことも分かったし!)、なにより素人のおばちゃん達でも知恵を出し合えば、異国で、国の法律や州の法律と整合性の取れた団体を作れてしまうというのが愉快痛快です。そうやって知り合ったおばちゃん仲間への信頼や経験は、火事や泥棒に逢ってもなくならないし、持ち運び自由。
また、どんなに頼まれても高報酬でも、気乗りしない仕事は、ザクザク斬って捨てることができるのも隠居のいい点。例えば、こんなのとか↓
免疫クリニックの求人募集。真面目に勤務医やっても、年収1000万円にもなりません。勤務医療に疲弊した医師がこのような免疫クリニックに雇われてしまうのでしょう。 pic.twitter.com/YG8DaYYwc1
— 勝俣範之 (@Katsumata_Nori) 2018年2月16日
上で勝俣先生がおっしゃっているように、真面目に勤務医やることに疲れて、うっかり怪しげな免疫クリニックの医者やって時間も自分の名前もすり減らすくらいなら、さくっと隠居して、底辺ドロッポ医で時間たっぷりの方がいいんじゃない?
まとめ
もし、不労所得に近い収入があり、それで生活できるようなら、低所得で始めてしまう隠居は、意外に快適でオススメです。少なくとも過労死するよりずっとよい。
ただですね、こんなに煽っておいてなんですが、隠居して10年、最近ちょっと、低収入で生きていくことに飽きてきたのです。そういうわけで、他人には(過労死するくらいなら)低収入での隠居をオススメしていますが、自分自身は、なんらかの方法で高収入での隠居に転身。。。する予定。どうやって高収入になるのかは、自分でも、さっぱり見当がつかないんだけどね。