医師辞めて10年になります。
北米に住んでます。朝の抹茶美味しいです。
え?
- 医者辞めて食べていけるの? 収入は?
- 一時帰国の時は医師のアルバイトする?
- 毎日暇でしょ? 何してんの?
- 今後、医者に戻る気はないの?
うーん、それなりにぼちぼちと。
目次でサクッと把握
医者辞めて食べていけるの? 収入は?
ずばり、食べていけてます。収入源は
- 現在1つ
- やめちゃったのが1つ
- 始めようとしてるのが1つ
現在の1つ:医者辞める前に、たまたまつくっておいた定収入の仕組み
基本専業主婦ですが、自分1人なら食べていける程度に収入はあります。これは、まだ医師として働いていた頃に、医師以外の収入があった方がいいな、と思って準備したほぼ不労所得(少しだけメンテはしています)です。
当時は医者としてやって行く気満々だったのですが、少し上の先輩が、病気で働けなくなって、その家族が生活に困窮するのを見て思うところあり、当時用意した自分用の定収入のしくみとして、不動産を購入しました。ただ、これは、今後新しく始める人には勧めませんので、詳しくは書きません。しかも、あまり上手に運用してないので、年々価値が目減りするし。
目減りはするし、額も大したことありませんが、私は、物欲がほとんどない上にゆるいミニマリストで、もともとお金を使わないタイプ。ですから、この額の収入でも、1人ならラクラク生きていけると確信を持っています。娘と2人でもギリギリいけそう。
なお、夫は、私が定収入を得ていることは知っていますが、額はナイショ。いざとなったらポンと出しますけどね。いざということ自体、おこらない気もするけど、ま、どっちでもいいや。とにかく、私はこのお金のおかげで、精神的にも安らかに隠居生活を送っています。
やめちゃった1つ:クラウドソーシングで医療記事
クラウドソーシングって聞いたことがある方も多いと思います。
ざっくりいうと、オンライン上で仕事探して、オンライン上で仕事提出。この仕事形態は、医師免許以外に特技ない上に、言葉の通じない幼稚園に行き始めて不安定になっていた娘(娘は当時、日本語しか話せませんでした)が、いつでも安心して家に戻ってこれるよう専業主婦をしたかった私には好都合でした。
クラウドソーシングで書いてたのが医療記事。最初1万字8000円くらいで始めましたが、最終的には1万字2万円くらい頂いてました。娘が学校に行っている間のうち、家事時間を除いた3〜5時間(月15〜20時間)だけ書いて土日は仕事しないスタイル。一番稼いでいた時期で、月15万円〜20万円にはなったと思います。時給で見ると、勤務医よりはいい感じでしょ? 通勤時間もないし。もちろん、携帯で呼び出されることもない。
でも、自分の好きなこと書くんならともかく、「この記事で書いて、キーワードはこれ」って指定されたもので書くことに疲れちゃったんですよね。その上、ものすごく丁寧に最近の知見まで論文で調べて書いた医療の記事と、ハゲを治す怪しい薬の記事が同列に並んでいて、しかも、ハゲ薬の方がよく読まれていることに気づいて嫌になってやめました。
ちょうど、体調も壊したこともあって、クライアントに嘘つくこともなく円満にドロップアウト。
ただ、クラウドソーシングの仕事をやったことで、いざとなれば、夫と娘は養っていけるという手応えを感じたので、その経験自体は悪くなかったです。また、クライアントさんは所謂、アタリのクライアントさんで、仕事自体はやりやすかったしね。ま、何事もやってみるものです。
始めようとしている1つ:隠居系元医師の人生逃げ切りブログ
で、始めようとしているのが、今書いているこのブログです。
話は長くなりますが、どうしてブログを収入源にしようと思ったといいますと。。。
私は、ハウステンボスが大好きで、海外に住んでるのにハウステンボスの年間パスポートを持っています。ハウステンボスについてだったら、何時間でも喋り続けられます。ですが、さすがにうざがられるんですよね(当たり前だ)。

でも、ハウステンボスについて喋りたい。
その衝動がおさえられず、1年前から、ハウステンボスのことばっかりのブログを書き始めました。最初はハウステンボスのことだけ書ければよかったのですが、2017年の6月にアドセンスという仕組みがあることを知り、どーせ書くのなら、収益化しようと思ったのです。そしたら、どうやったらもっとお金になるか、どうやったらもっと人が集まるかの工夫ゼロなのに、月に20ドル(約1600円)くらい、好きなことを書いているだけで自動的に収入があるようになりました。しかも、私と同じように暑苦しくハウステンボスを愛する人と出会えるというオマケつき! 今まで探しても探しても出会えなかったハウステンボスファンが、今は、向こうの方から私をみつけて、声をかけてくれるんですよ。すごくない?
とにかく、ハウステンボスブログで生活がかなり変わってしまったものだから、
- もしかして、本気でやったら、もう少し収入が増えるんじゃない?
- ブログで稼ぐ実験は、なにより面白そうだ!
- どうせブログ書くのなら、産業医やってた頃から気になってた、「我慢して精神的にダメージ受けながら働いてる人たち(医師含む)」が、精神的物理的に逃げることの応援したいな
と、思ってしまったわけですよ。
そこら辺の経緯は、ココにも ↓ 書いてみました。
元医師だったことを晒して、隠居系ブログを書こうと思った3つの理由
一時帰国の時は医師のアルバイトする?
してますよ。
今年は45日間里帰りして、そのうち15日働きました。今年は全部、健康診断のバイト。10日間は半日、5日は全日。当直は一切しない方針。
7月8月は健康診断閑散期ですが、私はプロの隠居系医師なので、一部の医師バイト紹介会社や健康診断会社から絶大な信頼を勝ち取っています。うひひ。
なので、閑散期でも、やりたい日数だけ必ず仕事を入れられます。しかし、全部の隠居系医師が、同じように美味しい思いをしているかどうかは不明です。隠居系医師にとって、信頼は財産です。
エージェントの探し方と健康診断会社の探し方は、とても重要なので、別の機会に、必ずお伝えします。
だが、これだけは言っとく! 健康診断あんま舐めんな。健康診断舐めると、受診者の不利益になるのはもちろん、自分の首しめます。特にフリーの場合。
健康診断は、診療時間は平均3分。受診者さん待たせないように短時間でそれなりに見落としがないように診断できるスキルが要ります。そして、意外と病気が見つかる。例えば、雇い入れ時の健康診断で、学校の健診でひっかからなかった心房中隔欠損とか見つかるし、協会けんぽの腹部触診で「これ、絶対スキルス」っていうのを見つけたこともあります。たまに右胸心とかあってビビります。健診は、基本、健康な人が来るけど、真心込めて要領よくね。それがアナタを救います。
毎日暇でしょ? 何してんの?
はい、すごく暇です。Eメールとかもらうと、嬉しくて速攻返事書いちゃうくらいヒマです。
例えば、5泊6日だけ行った東京ディズニーランドと東京ディズニーシーのイースターのミニーちゃんの衣装を、ランド用とシー用に別々に作ってしまうくらいヒマ。


ちなみに、ランド用は、グラデーション染色から自分でやってみました。当然お花もリボンで手作りだし、ミシン刺繍もやってみた。シー用は、お花の一つ一つを色紙の切り紙で作成した後、アイロン転写できる用紙にカラーコピーし、布地にアイロンプリントして作成。
例えば、毎日、朝からお抹茶点てて飲んじゃうくらいヒマ。

このお茶碗、車で1時間くらいの竈に行って、私が焼きました。モノ作るの大好き。
例えば、カステラなんて、1年に軽く50本くらい焼いてると思う。

ちゃんと下にはザラメが残る完成度。
例えば、どら焼きも1年に200個は下らないよ。

当たり前ですが、アンコも手作り。
とにかく、思いっきりヒマです。
でも、暇じゃないと生きていけない。
他は、娘と一緒にゲームしたり、英語やフランス語の宿題の意味がわかんなくて一緒に暴れたり、ドヤ顔で娘に日本語教えてみたり、断捨離に勤しんだり、終活したり、豪華節約超手抜きレシピ考案してママ友に自慢したり、執念深いピアノの練習(下手)したり、夫と一緒に庭に小屋立てたり、時々ブログ書いたりして暮らしてます。
あと、実は、カナダでも仕事したい時は、できちゃうんだな、これが。仕事はあまり選べないけどね。メープルシロップ売ったり、日本人相手の家庭教師したりするのは、けっこう楽しいし、お金になります。あと、カナダの大学病院でがっつりボランティア(と、いっても少しお金もらえる)してたこともありますよ、当時、英語の勉強嫌いなんで、英語を使っていい人っぽいことしつつ、英語の勉強をタダでしようと思っただけだけど(当時退職した英語の先生とかがボランティアしてた)、意外に儲かって良かった。
最近は、自分ちでいろいろ作ったり、母親業(と称して娘と遊ぶ)の方が楽しいので、カナダでは働いてないけどね。
今後、医者に戻る気はないの?
わかりません。能力的に無理な気もするし。
戻りたくなったら戻るけど、今の所、今の生活が気に入ってるので、しばらくは戻らなくてもいいかな。医学そのものは、カステラ作り程度には好きなんで、読書がわりに論文読んだり、最新の知見くらい斜め読みしておくだろうけど、どうしても腕は落ちるしね。
ただ、日本の人って(医師も含めて)、我慢して働き過ぎだと思うんですよ。
好きなことばっかりやって、それが生活の足しになってるケースの一つになったらいいなぁとは思ってます。私は書くことが好きなので、ブログで生活できるんならそれがいいかな。そんなに甘くもないでしょうけどね。
もし、上手く行くことがあったら、上手く行くまでの過程を公開します。また、全然うまくいかなかったら、全然うまくいかない様子を公開していきますので、生暖かく見守ってください。どっちにしても、ネタとして美味しいです。
そういうわけで、医者として戻るより、ブログで生活できるかどうかの方が、今の所興味あるかな。ま、何事も興味あることはやってみます。
まとめ
少なくとも、私に限って言えば、医師辞めても、食べるのに困ってません。主な理由は私が専業主婦で、夫が頑張って稼いできてくれるおかげだけど(ダーリンありがとー)、一応、夫がいなくてもなんとかできるだけの甲斐性を自分自身に持たせています。
その時に一番興味あることを、できるだけストレスの少ない方法でやって、人生逃げ切れればハッピーです。
医者やめたい病が進行してネットをさまよっているうちにこちらにたどり着きました。
現在四年目、医局は良い雰囲気なのですが、どうにも自分が医者に合わないという思いが拭えず、
ずるずると医者をやって若干メンタル気味になりつつある今日この頃です。
産業医資格があるのでそちらに行くことも考えたのですけどなかなか踏ん切りがつかず。
専門医まで耐えられる気がせず若干不安もあるのですが、
こんな生き方もあるのかと、参考にさせていただきます。
タカラべさま
お返事が遅くなってしまって申し訳ありません。コメントいただくと通常は私にEメールが届くのですが、ジャンクメールボックスに入ってて、今日発掘しました!
タカラべさんが医者に向いているかどうかはわかりませんが、医師であることはタカラべさんにとって、たくさんある「できる」ことの一つであることは確かのなので、医局の雰囲気が極悪でなければ、ずるずるやるのも一つの手ですよ。産業医は、向いてる人にとっては本当に面白いんですけど、90%くらいの医師免許餅は、産業医はつまんないと思っちゃうかもしれません。ただ、産業医の面白いところは、「向いてないなぁと思いつつ、メンタルを病みそうになりながらも、仕事を続けた」、一般的にはマイナス要素になりそうなことが、まるでオセロのようにひっくり返って、「むいてないなぁと思いつつ、メンタルを病みそうになりながらも仕事を続ける」人にとって、最強の産業医になれちゃうところです。
産業医の資格はすでにお持ちということですので、もし、産業医になることに今は踏ん切りがつかないのなら「向いてないけどずるずる続けた」を極めてみてください。私は逃げの早熟の天才で、嫌なことからはすぐに逃げてしまうため、そういう従業員に会っても「ああ、つらいんだろうなぁ」とは思えても、「なんでやめないんだろう…」までセットになってしまうんです。
でも、タカラべさんなら、「向いてないな、嫌だな」と思いながらも、なんとなく踏ん切りがつかない人の気持ちは手に取るようにわかるわけでしょう? 企業の人もけっこうそう思いながら働いている人が多いので、それがわかるのは、大きなアドバンテージです。
嫌だなぁと思いながら続けてたら、今のご専門が意外と楽しくなっちゃうかもしれないし、そうなったらお得ですよね? しかも、やっぱり嫌だった! やめて産業医になる! って思ったら、ずるずるやめられなかった月日がそっくりそのまま、ひっくり返って、産業医活動を行う上での大きなアドバンテージになります。
そういうわけで、時々、ここに遊びにきつつ(読んでくれる人が多いと、ワタクシが儲かりますので)、「ずるずると医者を続ける」を、気が済むまで続けてください。是非、また遊びに来てくださいね。ワタクシのお小遣い稼ぎのためにっ!
あっ! それから、2018年にカリヨン奏者になるって決めて、受験勉強してたんですけど、2019年2月に受験合格して、2019年9月から女子大生やってます。すでに秋学期冬学期終えて、平均成績Aです! そうです! 自慢です! 新型コロナによる休校で、最近カリヨン弾けてないですけどね。
はじめまして
医師4年目です。
もうなんか、勉強にはなるんですけど、
ほんとは、ほんとうは、
コンビニ弁当じゃなくて料理は1からやりたいし、
掃除だって毎日くまなくやりたいのに、
部屋だって飾りたいし、絵だって描きたいのに、
そんな体力も時間もなくて気づいたらこのブログにたどり着いていました笑
せっかくの免許でせめていざというときにご飯食べていけれるように(上記の文章とっても共感させていただきました)、後期研修医はなんとか頑張りたいですが、それ以降の生活の参考にさせていただきます!!
しぃさま
お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
コメントありがとうございます。嬉しいです。
ハウステンボスのカリヨンを復活させたくて、カリヨン奏者に会いに行ったりしてたら、ブログが放置になってました。ごめんなさい。
私がカリヨン奏者になってもハウステンボスのカリヨンが復活できるとは限らないけど、会う人ごとに「ハウステンボスのカリヨン」ってうざいくらいに言ってるので、そのうち何とかなるかも、くらいに思ってます。
医師4年目ですか〜。一番辛い時ですね(涙)。
医師の仕事は、量さえ適切なら、客観的に良い仕事だと思うし、やりがいも得られやすいと思うのですが、今のままだと多くの医師が消耗してしまうという危機感を私は持っています。私は老後は日本で過ごしたいので、イイ先生には、ほどほどの医療をしながら、ほどほどに生き残ってもらいたいのです…。
そういうわけで、若い先生方には、できるだけ医師として生き残ることをおすすめしたいのですが(私の安心な老後のために)、過労死したり過労自殺したりするよりは、華麗にやめちゃえ! とも思います。医師の過労、すでに20年前には問題視されてたのに、それが改善されるどころか悪くなってるんだもん。
後期研修医終了すると、バイト一つするにも、民間の病院にいくにも選択肢が広がります。どうぞ、生き延びて完了させてください。それから、自分と自分の周りの人を大切にする時間がたくさん持てる日がきますように。
はじめまして。
ぼくも暇を好みます。
カナダにいくことがあれば、よろしくです^^
ヒマは素敵ですねー。好きなことして過ごす時間は、めっちゃ贅沢。
素晴らしいです。
偶然、こちらの記事を拝見して、少し人生に行き詰まりを感じていたので、住む世界は違っても励みになりました。ありがとうございました。
skさま
コメントありがとうございます。
お返事遅れてしまって申し訳ありません。
素晴らしい…かどうかはさておき、医者やめちゃっても、本当になんとかなるのでw
行き詰まってしまう人は、利他的な人がとても多くて、そういう人たちのこと、私は好きですが、私に好かれてもしょうがないでしょう? 見たこともない他人に好かれるより、楽に生きられた方がいいかと。
世界規模でみても日本規模でみても、医師免許持ってる人なんて、人口の0.2~0.4%で、99%以上の人は、医師免許なし。でもちゃんと生きてるしね。
医師の仕事は「誰かの役に立ってる感」がとても強くて、実際にそう言う面があるのも確かなんだけど、そもそもどんな仕事も私利私欲&利潤を追求してやれば、どうしたって誰かの役には立っちゃうことを、医師の多くが気づいてない気がするんです。そういうわけで、自分ファーストで生き伸びてほしーなーと思います。
医師免許はお守りとして持っておくには、悪くないお守りですし返上する必要はないけどね。